[memo]クレオスの新しい模型用塗料について、塗料の未来を占ってみるよ(偉そうな)
 私の部屋にはいくつかの模型用ラッカー塗料が転がっています。カプセルトイのリペイントのために買ったものです。いずれはエアブラシを導入してあれこれ塗装したいのですが、その際に気になるのが、隣近所への臭気の問題。ことにうちは安普請のアパートに加えて、大家さん宅の敷地内に建っているので、臭いで心証悪くしたくはないのです。悩むところです。
 さて、日本の模型用塗料のデファクトスタンダードといえば、GSIクレオスの油性アクリル塗料(通称ラッカー塗料)「Mr.カラー」です。塗膜が丈夫で色数が多いのが勝因だと思うのですが、いかんせん有機溶剤臭がキツい(個人的にはシンナーの臭いは嫌いじゃないんですが。新築っぽくていいよね<そうか?)。あれは使用者に換気をうながすために、わざと臭いを強化してあると聞いたこともありますが、なんにせよキツいのです。代替品として水性アクリル塗料がありますが、こちらは色数が少ないし、乾燥が遅く、塗膜もいまいち丈夫でないとのうわさ。*1
 そうこうしているうちに、こんな記事(http://www.kurushima.com/shinkaihatsu.htm)を見つけました。これによると、クレオスが水性ウレタン塗料を開発中のようです。ウレタンだったら塗膜も丈夫な気がするし、シンナー臭がなければ個人的にはこちらを応援したいのですね。
 ところで、「Mr.」の称号を持つ*2塗料をすでに開発しているのに、なぜ今クレオスが新しい水性塗料を開発しつつあるのか? についてですが、職場で「日経エコロジー」のバックナンバー(2005年7月号)を読んでいたら、関連ありそうな法令を見つけました。「大気汚染防止法」です。2004年5月に改正されたこの法律の中に、「第二章の三 有害大気汚染物質対策の推進」というのが新たにくわえられまして、これにもとづいて揮発性有機化合物(VOC)の排出も規制されるのだそうです。2010年度までに、国内のVOC排出を200年度比30%(約50万トン)削減するのが目標。規制対象は塗装・接着・印刷・化学工業品製造・工業用洗浄・VOCの貯蔵、の6つの業務をやっている施設。なので、自動車工場では、塗装も最近は水性塗料を主(クリア塗装は低溶剤塗料)に使っているとのこと。
 つまり、世間的にはシンナー系はだんだん受け入れられなくなっていく趨勢にあるわけです。模型用塗料については、工業用でないので規制されるかわからないのですが、クレオスとしては、ポスト・ラッカー塗料として水性ウレタン塗料を開発しているのかもしれない。

 とかいって全然そんなことないかもしれないのですが、まあ5年後もこの日記が続いていれば、そのころには明らかになってると思います。

*1:こちらのサイト「水性アクリル研究室」の情報によると、国産の水性アクリル塗料にも有機溶剤臭はあるとのこと。外国産のには付いてないところをみると、これは国内塗料メーカーの取り決めみたいなものがあるのかも。あと外国産の水性アクリルは塗膜が強いのもあるらしいっすね。試してみようかな。

*2:長嶋茂雄氏の称号「ミスタープロ野球」の「ミスター」と同じようなニュアンスを持って名づけたと推察。