米原万里氏死去

 つい先日、週刊文春だったかで癌にかかっていて療養中ということを知ったばかりでした。
 米原氏のエッセイは、間口が広く、別の部屋へのドアもたくさんついた、風通しのよい部屋のようでした。その中でも個人的に印象深かったのは、かつてのソヴィエト連邦の初等・中等教育のありよう。日本とはまったく異なった体系による知識の学習のさまは、鉄のカーテンの向こう側にあったのも、また人間の織りなす日常であったのだと、核戦争の恐怖をTVニュースで伝えられる「ソ連」の響きに聴きとって怯えたこどもだった私に教えてくれました。

 魂よ安かれ。