SAMURAI7 第十一話 「やって来た!」

 じかに観た上に録画していないので、かなり曖昧な記憶頼み。ご容赦。

  • 村の防衛計画を立てたり、対野伏せり戦略は始まっていたりで、お侍が神無村をあちこち歩きまわる回。滝があったり、鎮守の森があったり、神無村の地勢が徐々に明らかになっていく。私は世界観というかトポグラフィ萌えなので、知らない場所が明らかにされていくのはいつだって愉しいのだ。
  • キュウゾウ殿が弓もできることが判明。しかしこの人が他人にものを教えることができるとは思わなんだ。いや武士ってのは今の軍隊で云うと士官に当たるだろうから*1、教練くらいできて当然なんだろけど。しかしあの弓矢はどこから調達してきたのか。あと弓矢ってどれくらいの期間で一応モノになるものなのか。妹が弓道やってたので訊いてみるとするか。
  • 農民の人がなに喋ってるのかわかりません。いや意味は取れるんだけど、逐一文字に開けといわれるととたんに。
  • キララがへそ出しなのは、あの村の未婚の娘さんのしきたりかなと思ってたんだけど、今回のお友達衆をみると、必ずしもそうでもない様子。やっぱりヒロイン表象なのか。
  • 「カツシロウ殿! しっかりなさい!!」おお、キララ殿がりりしい。

追記:キュウゾウの双剣の鞘が意外とフレキシブルに動くことが判った(マンゾウの提灯を斬って刀を納めたシーンね)。鞘の中心部を一点で固定して、そこを軸にしてある程度回転するようにしてあるみたいだ(ベルト位置で固定?)。彼は二本差しの鞘を斜めに背に負うているので、いくらフィクションの国の住人とはいえ、あんなポジションからどうやってあんな長剣を抜くのだ*2と思っていたから、地面に平行になるくらいにも傾けられると判って疑問氷解。


以下ネタバレにつき。

  • カツシロウ生まれてはじめて人を斬る。しかしそれは闇夜の底で噴き出した血にまみれる、生々しく、いかにも不吉でさえあるはじまりだ。
  • とりあえず、この世界の前提として、暴力の行使者としての侍はもう世の中から必要とされなくなっているというのがある。けれどもそれに代わる侍の新たなアイデンティティはおそらく確立されていない。なので、大戦後の時代に成長したカツシロウのような少年も、(弱い者たちのため、というエクスキューズはあっても)暴力の行使をもって侍となす、という観念を持っている。
  • さて、そんな少年が武者修行の旅に出て、村から侍探しに出てきた娘に出会う。守るべき弱き者が現れる。しかし少年は力が及ばない。そこへ現れるのが大戦を経てきた古強者たち。彼らの振るう力は、時代にはすでに必要とされていないが、それこそが弱き者たちが求めている力だった。
  • つまり、カツシロウが今いる状況は、葬り去られようとしている旧時代の流儀が正当なものとして生きており、問題の正しい解決策になりうる、という、盲亀の浮木優曇華の花みたいな強烈な状況なわけです。無論、そんな小世界を作り上げている五人の(六人か?)おとなたちはそのことを知っているし、戦場働きの経験から暴力の振るいかたも知っているし、その限界も知り抜いている。そして弱いとされる者たちも別の局面から見れば力があるのだとも知っている。でも少年自身はどうなんだろうか、と思うのです。力の足りぬ者として、いつか力を手に入れて弱き者らを救うのだと、おそらく彼の世界は単純で、それゆえにその矜持はいまだ高い。
  • そういう未完成な状態で、こういう前時代的な背景の中で暴力の行使に目覚めてしまったのは、彼の今後の人生においてつまづきの石になりかねない気がします。まああの一行に加わった時点で、遅かれ早かれ暴力の行使を経験することになったとは思うのですが。今はまだガクガクブルブルしてますが、ここからいい方向に転んでくれればよいのだが。予告編でカンベエ殿に張り倒されてるのでどうかなあ。
  • 予告編といえば、キララ殿との恋路がうまくいくような感じでしたが、さてどうなることやら。
  • しかしここで二週間進行停止とは、NHKの編成担当者も情けないことをなさる。

*1:むりやりだけど下士官足軽=下級武士、兵士が雑兵、くらいの認識で。

*2:もし鞘が可動しなければ、腕が伸びきった時点で刀は抜けなくなる、はず。