「パプリカ」観てまいりました。医療機関内の心理的なイザコザが、夢を可視化できるデバイスのせいで現実世界にあふれてきてさあ大変、というお話。
千年女優」もそうだったけど、現実とフィクションの絡みあい、狂気と映画についての物語だと思った。ドライブ感に満ちた、よい悪夢でした。
でも原作はこういう話ではない気がする。筒井作品だし。あと単行本の表紙絵がデルボーだったから。

ところで理事長の寝室のシーンで、寝台の近くに車椅子が見当たらなかったのはなぜだ。あのシーンはもうとっくに夢化していて、夢世界では車椅子は無用の長物だったから排除されてたのでしょうか。

2007/02/13追記。
 その後別の大きな映画館で再見したら、ちゃんと車椅子ありました。まあ考えてみれば、車椅子は自分が寝る側に引き付けて、そこから寝台に登るのが理にかなってる。寝室の渦には最後のほうに巻き込まれてました。
 あと、原作読んだんだけど、やっぱり全然展開やキャラの配置が違ったー。原作だとみんな社会的地位が高いし、ラストはノーベル賞受賞式だものな。1991〜1993年の連載小説(掲載誌は「マリ・クレール」)らしい気位の高さだ。アニメ版は、今(いま)っぽい翻案にしてあると思いました。……ところで、アニメ版の小山内は最後どうなったん?
 ちなみに表紙絵はデルヴォーの「隠棲の館」でした。