[misc]さらばウォーターシュート
 ウォーターシュート(Water-Chute)という遊園地アトラクションがあります。水を流した斜面をボートが滑り落ちて、下の池の水面に激突するというものです(今ネットにたずねてみたら、プールの流水滑り台もウォーターシュートっていうみたいだ)。特徴は、へさきに船頭さんが乗っていて滑降し、池に激突する瞬間にジャンプする、ということ。アメリカで19世紀後半に開発され、102年前に日本に紹介されました。現在、常設のアトラクションとして設置しているのは、横浜の八景島シーパラダイスだけです。しかし、シーパラダイスもついに明日でウォーターシュートの営業を停止する、とのこと。
 と、NHKの朝のニュースで報道されていました。「ウォーターシュート」っていうと、サティの「スポーツと気晴らし」というピアノ組曲の中に入っているので、名前だけは知っている存在だった。でも外国のものだと思っていたんだな。そんなわけで、ウォーターシュートに乗りに、八景島まで行ってみました。
 たどり着いたら、今日明日はさよなら特典で無料なので、一時間待ちくらい並んでおりました。ウォーターシュートの外観は、鉄骨で組んだゲレンデみたいな斜面に、水がちょろちょろ流れている。そこにレールが2本かけてあって、片方が滑降するともう片方がウインチで巻き上げられる方式。滑降→池に激突→池を艪で漕いで移動して、乗客を桟橋に降ろす→斜面の下にボートをセット→ワイヤをつないでウインチで巻き上げる→斜面上端に固定→滑降……を交互に繰り返し。池を移動してから巻き上げセッティングするまで、全部人力でまかなっているので、行列の消化はかなりゆっくりです。
 さていよいよ乗り込むと、船頭さんが乗客の座る位置を移動させます。バランスですね。いよいよ滑降です。どんどん水面が近づいてきて、激突、水しぶき! へさきで船頭さんがジャンプしているはずなんですが、滑降したときには目をすがめてしまったので見えなかった。しぶきが結構すごくて、かなり濡れてしまったよ。
 さて、ウォーターシュートの船頭さんは、滑降の際のバランス調整・ジャンプパフォーマンス、ウインチ巻上げの管理・セッティング、などの仕事を一手に引き受ける、プロフェッショナルです。ウォーターシュートの消滅とともに、ひとつの専門職が日本から消えるのだなあ。今回の営業停止が、日本ウォーターシュート史の終末になるのか、それとも空白期になるのかはわかりませんが、ひとまずこれまでの活動に、礼!!