ハリウッドのうわさ。

 コロンビア奥地、サンチャゴ・デ・ラ・フエゴ村は塗炭の苦しみを舐めていた。かつては革命を叫んだ〈自由コロンビア人民軍〉がマフィアと結託し、フエゴ村を実質支配していたのだ。村人はケシ畑やアヘン精製プラントで強制的に働かされ、わずかな畑の収穫も人民軍に奪われてゆく。たまりかねて蜂起をこころみた者たちもあったが、訓練された部隊の敵ではなく、またたく間に殲滅された。残された者たちは絶望の中でかろうじて命をつなぐありさまであった。
 しかし、村長の娘フアナは希望を捨ててはいなかった。まだ人民軍が村に来る前、彼女は聡明さを見込まれて、首都サンタフェ・デ・ボゴタの寄宿学校に学んだ。村の外に出て高等教育を受けたのは彼女ただ一人だけ。そして彼女は気づいていた。村では魔王のように恐れられ、君臨している人民軍。だがしかし、彼らとて世にあまたある武装勢力の一つに過ぎない。そうであれば、外から連れてくればいい。村人の苦境に共感する情け深さを持ち、人民軍とマフィアをたたきつぶせる力を持った人間を。いにしえに東洋の国に居たという戦士/貴族、サムライのごとき人間を。
 フアナは人民軍の目をかすめ、単身村を抜け出した。目指すはアメリカ、人種のサラダボウル、自由の国である。

 そして今、彼女の願いにこたえ、七人の男女がフエゴ村に集った――!!
 
 
 
 ハリウッドが「七人の侍」を現代劇としてリメイクするらしいですよ。キャストはチャン・ツィイードニー・イェンジョージ・クルーニーなど。現代劇で「虐げられた村」シチュエーションをやるのは難しそうな気がするんだけど。ぱっと思いついたのが上の妄想物語です。
 チャン・ツィイーは何の役だろうと考えてみたのですが、彼女もアクションできる人だし、サムライ役になるのではないかと。ヒロインかいな、と一瞬思ったんですが、どうも今のハリウッドでそういうキャラは居場所がなさそうな気がしてなあ。
 で、あちこち見ていたら、かなり古い情報(2002年03月13日付け?)とはいえ、こんな記事が。

オーシャンズ11」的な映画になるのではないかと見られている。

 ええー?! 「七人の侍」である意味なくないか?