SAMURAI7 第九話「真っ二つ!!」

  • ブレイドアクション! ブレイドアクション!! やーやっぱりチャンバラはいい。
  • つかやっぱり巨大野伏せり相手には、間接狙って斬りとばしてゆくのが有効なのね。真っ向唐竹割りはサイズ的に無理か。
  • 好敵手と認めたカンベエがやられそうになったら取引相手だろうがかつての同輩だろうがあっさり斬りたおすキュウゾウのいくさ人っぷりには畏れ入る。でもたぶんこーゆー一種すがすがしい倫理観は、この世界ですら急速に過去のものになりつつあるんだろうなーと思ってTVの前で物悲しくなる自分がいる。
  • あーでも、この世界の元和偃武(キクチヨ系図事件の発言から考えると、大戦終結は元和八年ごろらしい)は、侍→商人という階級間で権力が移っていったからまだあきらめがつくけど、われわれの世界の元和偃武(元和元年)だと、侍がそのまま武力を事実上否定して官僚になり代わっていったからなあ。キュウゾウみたいなパーソナリティの人は余計に生き辛かったかもしれん。
  • キ、キクチヨに砂が! 壊れる壊れる!!
  • 「鉄砲なんぞ使うやつは侍じゃねえ!!」うーむ、齋藤杢之助*1や伊藤伊衛郎*2の立場がないのう。ちなみにわれわれの世界ではお侍のガンマンの居場所はちゃんと軍制の中に確立されておりまして、皆様幕末までお勤めに励んでおいででしたよ。
  • 「行くのか、寂しいねェ」……式杜人がカジュアルすぎて怖いんです。彼らは何かを隠してる気がする。

以下ネタバレ。

  • あー、ヒョーゴさん死んでしもたー。体制順応型お侍の代表格として、もうちょっと生きのびてくれるかなーと思ったんだけれど。いつものフルメイクがそのまま死に化粧になってしまったなあ。
  • まあヒョーゴはもともとかなりキュウゾウの腕を買ってたんだと思うのですよ。ソウベエ殿にキュウゾウが「街場の狗」呼ばわりされたときに憤っているしね。大戦終結後、武辺を誇る侍でも体制に順応できない者は野伏せりになったり野に下ったりしてその武力の正当性は失われ、たぶん今後一生自らのほまれとして腕を振るう機会も失われる。商人の用心棒をしていれば、体制を補完する力としておこないの正統さは保証されるし、自分たちふたり、腕を無駄にすることもなかろうよと思っていた。ヒョーゴは自分をまげても世の中に居場所をつくることを選んだわけです。戦さなき世に「侍」でいつづけることはむつかしい。下手したら自己破壊へまっしぐらだからな。カンベエを銃でだまし討ちしようとしたのもそれ。たかが浪人風情との勝負にこだわって、雇い主の方針に盾突けば、もう一生表舞台には立てなくなる。キュウゾウほどの腕があたら野に埋もれてしまう、それを惜しんでいた。
  • でも意外に昔気質のキュウゾウさんはそんな生き方には納得できなかったわけで。古強者の浪人者と出会い、侍として、何をおいてもそいつとの勝負にすべてを懸けることに決めてしまったのでした。ここらへん、いくさ人の業ですな。あー、でもキュウゾウはあまりそこらへん言語化して考えてない……ような気がする。なんせ奴は活死人の目をした剣鬼だからなあ。次回でもう少し人となりがわかるだろうか。
  • けどなあ、「貧乏侍ひとり斬ったところで、剣のほまれにはならぬぞ!」て云ってたけど、じゃあ今の世の中剣のほまれてどんなんよと訊かれたら、ヒョーゴさん答えられなかった気がするんよ。最期の「…莫迦め……!」にはいろいろな感慨が込められていたのだろうなあ。
  • なんか、はじめは剣でしか語れないキュウゾウ不器用、て思ってたんですが、こう書いてるうちに、小器用に立ち回って納得ずくで商人の用心棒職をつとめているかに見えたヒョーゴも大概不器用者だったのだなーと思ったよ。
  • そういや書いてて思ったが、全身機械化した侍の人は今のご時勢再仕官できてる人もいるんかなあ。ボディパーツをキクチヨボディみたいに小型化・換装すればいくらでも可能ではありそうな気はするんだが。
  • ところでアヤマロ様は、都から帰ってきたら用心棒が二人とも行方不明になっているわけだが。どうするんだ。

 しかし、今回のキュウゾウの振る舞いはたしかにすがすがしいが、身近にこういうヤツがいたら、すごく面白がられるか迷惑がられるかのどちらかのような気がする。なんとなれば、家族に相談せずにいきなり生き甲斐探して脱サラするお父さんのようではないですか。



「…退職してきた」
「なぜだ……キュウゾウ!」
「……生きて、みたくなった……」
「……莫迦め……! 来月の家賃半額、払うあてはあるのだろうな!」

 ほら同居人との間も一気に険悪に。
 家族と云い条、どうにも彼には「家族」という枠組みが似合わなかったので……勤め人ふたりでルームシェア? たぶんキュウゾウの仕事は大手ながらもデスマーチつるべ打ちの会社に勤める辣腕システムエンジニアかなんか。そしてこれから社長にヘッドハンティングされた極零細ソフトハウスに転職とか、そういう流れ。