SAMURAI7 第十三話「撃つ!」

 はいはいまたしても遅延更新ですよ。どんだけ遅らしゃ気がすむのだ。まあ次回からは放映も平常運行ですから!
 やっと話数が折り返し地点までたどり着きました。もうあと半分しか残ってないのかとネガティブシンキングに陥りつつも、来週以降に放映休止がなければ(なければ、な)、最終話は十一月十一日にあたるということに気づいてなんとなく嬉しくなっている今日この頃。だってサムライのゾロ目ですよ! 大尾にこれ以上のふさわしい日付があるか? 
 というわけで、駆け足の感想。今回はついに神無村防衛戦の火蓋が切って落とされる回。

  • キララ殿は本が好き。うむむ、頭でっかちになってなければいいんですが。なんつか自分が本オタクで絶賛コミュニケーション不全だった(今もか)ので、本好き属性には「知的でステキ!」よりも「知識偏重で現実認識がよくない」みたいなイメージを抱きがちなんだな。なので、これが今後の暗雲な伏線にならねばよいがと考える。だ……大丈夫だよね?
  • キララ・カンベエの会談は、あれか、キララ殿は基本的にカツシロウのことを愛情なしで「村を守ってくれるお侍」という利害関係/ともに殺しの罪を負う共犯者関係でしかみていないということなんだよな。んーでも真面目な話すると農民の娘とお武家の若様って身分違いの最たるものだからなあ。キララ殿としてはカツシロウが虹雅渓で守ってくれたときも、侍ゆえのノブレス・オブリージュだとしか思ってなかったんだろうなあ。あ、でもキララ殿はカンベエ殿には惚れてると思いますよ? 岡惚れというよりも慕っている感じだとは思うけど。違うかな。
  • 「女房取り戻したときに、人肌で抱けねぇのはなァ」……む、キクチヨ結構歳いってんのか? 十代後半から二十代前半くらいかと思ってたんだけども、ここらのしんみりっぷりからすると二十代後半から三十代くらいでもアリな気がしてきた。
  • リキチが持ってきた刀は、たぶん家の守り刀(「伝家の宝刀」というやつね)ですね。大きめの農家では結構持っているもののようです。*1ただ基本的に「抜かずの刀」というかたちで伝わっているようなので、事前にちゃんとチェックしとかないと、下手したら赤鰯ですぜ。
  • 物見の任務を忘れたキクチヨに対して、規律を基にして譴責しようとするシチロージ殿と、状況は基本的にイレギュラーを含むものだという前提で行動するゴロベエ殿。参謀タイプのふたりでも、そういうところが人柄の違い。思うに、これは年齢の積み重ねというよりは経験の質の差かもしれない。ゴロベエ殿のほうが、イレギュラーが起こりやすい状態を経験してきたのかとも思う。たとえるならば寄せ集めの傭兵部隊とかね。
  • 「さあ、戦闘配備です!」戦闘が日常だった侍の異常状況における平常心、みたいな。ああこの人たちはわれらとは「違う」世界を生きてきた人々なのだ、という感じ。今回のヘイハチ殿の科白はいちいち「違う人」になっていておもしろいところです。
  • 巨大ボウガン*2、矢が一木造りらしいのがびっくりだ。鎮守の森の木っていうことなんだろうけど、加工も一苦労だったことでしょう。あとあんな切っ先が鈍い矢で貫かれた本陣の中身はさぞかし酸鼻を極めていることでしょうな。
  • ヤーカーンー! 曲がりなりにも「鋼筒」なんだから、火箭で射られてぼとぼと落ちるのは未来兵器としてどうかと思う。でも搭乗者は死んでてもなお反重力機関が生きて普通に動いているとかそういうリアルな描写*3にしてしまうと、それはそれでえげつないな。
  • あとヤカンの反重力機関は意外と利く範囲が狭いのか、橋が落ちると一緒に落ちてましたね。それも未来兵器としてはどうか。
  • 鋼筒を射殺しても眉一つ動かさないお侍と、人殺しにおののく農民の対比。しかしですね、真面目な話をすると、ヤカン乗りを殺しても顔が見えないというのは、なんつうか結構良心回路を麻痺させるしくみにはなっているかと思うのですね。あと人間はかなりたやすく(一時的に)血に酔う生物らしいので、現実ではまああんなにすぐさま冷静にお侍を怖がれないとは思うのだけれど。
  • 野伏せり様の前に引き据えられたのは、縄を打たれた侍どもと機械の侍の首。……しかしあの縛り方は司直のプロの罪人の縛り方っすよ。市中引き回しみたい。もっと普通にぐるぐる巻きとか素人くさい縛り方にしたほうが、罠っぽくないんじゃないだろうか。

*1:私の両親の実家のお蔵にもあるとかないとか聞く。

*2:この世界での弩弓は「ボーガン」じゃなくて「ボウガン」みたいですね。根拠はボウガン男が「ウ」表記だったというだけですが。なんとなく「ボーガン男」だと思っていたので驚いた。あ、ボウガン男って覚えておいでですか皆さん。三・四話に出てきたテッサイの部下の刺客で、カンベエ殿に斬られたオペラピンクの髪の人です。

*3:事故でトラックの運転手は死んでしまったけど、死体がアクセル踏みっぱなしなので車はどんどん驀進する、みたいな。