SAMURAI7 第十四話「暴れる!」

 再生早々「アニメ・SAMURAI7(14)は1:15から放送します」のテロップに肝を冷やした録画派の方も多かろうと存じます。結局ちゃんと最後まで録れてましたが。*1今回ただでさえイレギュラーな放映時間なのだから、あまりひやひやさせないでくださいな。

 というわけで今回は、侍たちが野伏せりの本陣に乗り込み、お侍様のプロ仕事(一名除く)が堪能できる回。

  • 早亀屋さんは連絡から間諜までなんでもやるのだなあ。
  • お久しぶりの虹雅渓では、あいかわらずの若とテッサイ殿。しかしヒョーゴ殿はおとむらいをしてもらえてたんですね。なんか安心した。でもお墓暴かれたけどな! いやテッサイ殿も検分のあと埋め戻してくれたと私は信ずる。
  • しかし「天地がひっくり返るようなことが起ころうとしてるんだからね」って何なんだろう。なんかの下克上? アヤマロが都から帰ってきていないのと関わりがあるのかな。
  • 「キュウゾウではないか、もはやここまで堕ちようとはな」「……あんたもな」……縄打たれたキュウゾウ殿の前に、かつての戦友? 登場。社会帰属の流動が大きい時代だと、昨日の味方が今日の敵ってこともたやすく起こりうるのだなあ。あと、人間から見ると機械化侍の人はどうやって個体識別ができるのでしょうか。ボディの外見いじったらあっというまに見分けつかなくなりそう。*2声も発声系統いじったらどうにでもなりそうな気がするし。
  • 村からさらわれた女の人や米は、すべて都へ送られておるそうな。この世界を支える裏側の経済の流れが、少しづつ明らかになっていく。アヤマロが呼び出されたのはここらの関係なのか。
  • 「米も娘も、すべて都が所望しておるのだ」「では、今までに連れて行った女の人たちは皆……!」「感謝しておるわ、村におるよりも、満たされておるでな」……なんか大江山酒天童子の話を思い出した。奴も人里から女の人をさらってゆくんだけど、山の生活のほうが幸せで、酒天童子が退治られてからも帰りたがらないんだよね。
  • とりあえず野伏せり様は、田んぼを走査するテクノロジーを持っているのだから、米俵を本陣に運び込む時点で内部走査をしてみたほうがよかったんじゃないだろうかとオモタ。
  • 一番槍のシチロージ殿は非常に楽しそうで、よいお侍っぷりでした。やっぱ大戦時にカンベエ殿といっしょに暴れまわってたのは伊達じゃあないね。
  • 「埋まらんな、この差は」……ゴロベエ殿が牢破りをして出てくると、「大道芸なぞ習っておりません!」とカツシロウはいまだに縄抜けに四苦八苦、一方さっさと縄を抜けて、鍵を壊してもらうのを待つばかりのキュウゾウ殿。ああ、たしかにこりゃあ埋まってない。つうかこういうときに云い訳しちゃあいけないやね。かっこ悪いじゃあありませんか。こういう奴現実でもいるよねー、過去の自分とか。ああしょっぱい。
  • ただ、キュウゾウ殿とカツシロウってのはたぶんひと回りは歳が違うだろうし*3、戦場往来の経験の有無てのもあるので、絶対的な経験値が異なっているのではないかな、とフォロー。あと、印象で書くけど、縄抜けの技術は確かに武芸の中に数えられてますが、これ合戦の時代の実践的な必須科目だったかというとそうではないのじゃないかと思わないでもない。集団の合戦時で、たとえば捕虜になったときに活用できるかというとそうでもないでしょ?(てゆうか交渉とかする上層部に迷惑かかるからむしろ活用するな) 今回みたいな少数のゲリラ戦闘時、それからたとえば合戦時でも忍びの人とか、平時なら非常事態(んー、たとえば赤穂藩浪士吉良邸襲撃事件とか)に巻き込まれたときの敵への反撃には有効だと思いますが。
  • あーでも、これトリオ組んだのがゴロベエ殿とキュウゾウ殿だったからこの程度のコメント(とノーコメント)ですんでるわけで、ヘイハチ殿やシチロージ殿と組んでたら、もっとぐっさりくるきっついコメントをされたとは思うな。
  • 中枢にもぐりこんでホイホイと内部の系統を壊してゆくヘイハチ殿カッコヨス。プロだのう。
  • 「私とて……っ! 侍だ!!」わかったから刀を投擲するな。脇差もないのに。おもろいやっちゃなあ。
  • 戦うお侍が昏いまなこをしているのが印象的。つまりは「侍」の業を負ったまなこだと思う。カンベエ殿、ゴロベエ殿、シチロージ殿は明らかに目元が小昏くなっている。でもキュウゾウ殿はなあ、よくわからないなあ。雰囲気が鋭くなったのはわかるんですが。メメントモリな活死人だからか。
  • 捕らわれたキララ殿が、カツシロウの働きにはガクガクブルブルしていて、ほかの侍の働きについてはそうでもない、てのは、ここらへんじゃないかと思う。カツシロウの戦いは、己の力の中に我を忘れているのみで、他の侍が多かれ少なかれ持っている、戦う相手への一種の敬意と、こういう人生を選びとったということは、自分の中に人殺しを好む部分があるということを認めているという認識、がないんだな。たぶん。まだ。
  • 雷電隊、推参!」……忠義心は結構なことだけど、あんな狭い空間に合計七機もの機械化侍が集まると、動く余裕もないし、裏目でしょう。つか早々にキュウゾウ殿の刀の錆にされてしまいましたねえ。
  • 野伏せり(雷電型)の急所は胸、ということは、胸の部分に脳みそが入っているということか……でもキュウゾウ殿って大戦経験者じゃないのかな? だったら当然知ってる気がするのだが。あ、キュウゾウ殿ほどの手だれだと、弱点ピンポイントで攻撃せずとも、九話でやってのけたみたいにバランバランにして戦闘不能に持ち込めるからあんまりちゃんとそういうこと覚えなかったんですよ。きっとそうに違いない! 
  • シチロージ殿の義手からワイヤ発射の段。たぶん民生用の義手なのにすごい機能と耐久性だ。蛍屋あなどれじ。
  • 「その落ちぶれよう、さては滅ぼされたほうであろう!」……お、ようやくカンベエ殿の具体的な過去が明らかに? あとこの世界の軍隊も「○○家中」とかそういう区分をされていたのかとちょっと驚き。じゃあ○○家てのが今の軍制でいう師団とか旅団*4相当で、それらがまとまって総大将(徳川家康石田三成クラス)のもとで天下を二分して戦っていた、とかそういうことでいいんでしょうか。それともこの世界の軍制はそこまで近代的なものじゃないんだろうか。
  • あと大戦に「勝った側」てあったんだ……消耗戦で双方グダグダになったところを商人衆に油揚げかっさらわれたんだとばかり思ってた。
  • 「いかにも、侍だ」……「侍」とは、殺人の技を極め、それを衝動に流されぬようコントロールしつつ最高の効率で運用してゆく、けれどもその技のゆえに戦いを求めずにはおられない、一種矛盾した業の深い存在、てことですかね。たぶん戦時には戦さ場の華だったろうけど、その内実は華やかなきれいごとじゃないんだ。さてカツシロウはこの境地にたどりつけるのか。
  • ところで、今回最後までソウベエ殿とシュウサイ殿の区別がつきませんでした。カスタム雷電型がソウベエ殿、カスタム紅蜘蛛型がシュウサイ殿、でいいのかな。魂よ安かれ。

追記:

  • それにしても、鋼筒に乗っていたら蓋をこじ開けられて上から刺されて死亡、というのはなんとも恐ろしい死にざまだ。トーチカや戦車の内部に手榴弾を放り込まれて全滅、と同等の恐ろしさを感じる。


 どうにか脱出したお侍とキララ殿。いっぽう崖下で爆散した本陣を見つめる紅蜘蛛型一機と雷電型二機。不穏な空気でさて次回へ!

*1:Gコードで予約。いつもは放映終了時に「プレマップ」だっけ? 他番組の予告が5分ほど入っていた。今回は最初の5分がニュース延長分で、予告が終わったとたんに録画終了。

*2:機械化侍どうしは脳のIPアドレスみたいな識別コードを持ってて区別つけられるんじゃないかなあと妄想。

*3:キュウゾウ殿三十歳前後、カツシロウ十五、六歳くらいのつもりで見てます。

*4:超おおざっぱにいうと、ひととおりの戦争ができる、各兵科がひとそろい集まった単位。師団>旅団>連隊で、連隊以下はひとつの兵科で構成されている(ここらへん国により差あり)。