「月、あるいは、父」

 さて、GコードSAMURAI7を録画すると、本編のあとに5分ほど余裕があるのです。で、今回そこに「月、あるいは、父」というミニドラマらしきものが録れていました。再就職活動中の(前の仕事は辞めたあとらしい)娘さんと、タクシードライバーのお父さんのふれあい物語。で、たったひとつ腑に落ちないところが。
 この人就職面接で(画面には出てこないけど、たぶん「あなたはなぜ働くのですか?」みたいな質問されて)、「これからは女性も自立して生きていくべきだと思うんです」みたいな答えをしてるのですね。ああああ、こりゃ落ちるわ。仕事って、「女も自立せんとしてすなる」そんなヌルいもんじゃないでしょう。男だろうが女だろうが、「きれい」だろうが「汚」かろうが、「仕事」する第一義なんてたったひとつだ。生きるためなんだよ生きるため。今日の飯のために、自分の身や家族を養うためにみんな働いてんだよ。
 こういうロジックをもった女性が再就職活動中だという設定で話を作ったシナリオライターの人は、ちょっと世界をなめすぎだと思いました。公共放送の描写が世間のスタンダードだと思ってる素直な人も世の中には多いんだから、こういうイメージを公共の電波に垂れ流すのはよしにしてほしいもんです。