「+GAINER PHYSICAL COMPUTING WITH GAINER」のこと。

 国会図書館閉架式の図書館なので、読みたい本を端末で申し込んでから、地下の書庫から出してくる方式です。
 なので、書籍と雑誌、雑誌も号なんかによって、時間差で出てきます。だからわたしはいつでも雑誌を申し込むと同時に何か書籍を申し込むことにしています。なんでだか書籍の方が出庫が早い気がするので、それを読みつつ雑誌を待つのです。
 で、今回選んだのがこの本でした。

+GAINER―PHYSICAL COMPUTING WITH GAINER

+GAINER―PHYSICAL COMPUTING WITH GAINER

 いつも読んでいる「こどものもうそうblog」で、米光一成さんがProcessingという、電子グラフィックをいじるためのプログラム言語を大変ほめておられて、そのときに、参考図書をあげておられたのです。
 それがこの本です。
Built with Processing [改訂版]

Built with Processing [改訂版]

 で、この本をamazonで見ると、「こんな商品を買っています」に「+GAINER」が入っていたのですが、表紙のデザインが、アート関係にありがちなクールというよりも、大変チャーミングなもので、それで興味を持ったのです。
 GAINERというのが何かというと、

ユーザー・インタフェースやメディア・インスタレーションのための環境です。Gainerを利用することにより、センサーやアクチュエータをPCに接続し、FlashMax/MSP、Processingといった幅広いプログラミング環境から利用できるようになります。

 というものでした。つまりこれを使って、PCでのプログラミングをからめたインタラクティブな電子工作ができますよ、というシステムです。
 内容は、写真を多用した、大変わかりやすいって云うか、素人でも引きつけられる、そんな内容でした。たぶん想定読者は、プログラムも電子工作もあまり知識がないけれども、アート作品を作りたいーという人(芸術系の学生さんとか)向けなんだろうなと思いました。
 でも、門外漢(電子工作も、プログラミングも知識はない)のわたしにも、この本は本当におもしろかった。何でかと考えると、この本には著者たちの、「こういう楽しいことをできるツールがあるよ。Gainerって云うんですけど、あなたもこれを読んで、興味を持ってみませんか。そして私たちと一緒に楽しみましょうよ」っていうスピリッツが横溢していたからだなーと思います。それで、そのためならばわかりやすく導入までを教えてくれる。昔のマッキントッシュのマニュアルを読んだ感じに似てるんだなこれは。読み終わったときに、実家から古いハンダごてを拾ってきたくなった、これはそんな本です。
 

 ただ、この本を出版していた九天社は今年倒産してしまいまして、この本も、amazonでもプレミアがついた本になってしまいました。
 けれども、著者の皆さんによる復刊の動きがあるそうです。(詳細はこちら)楽しみ楽しみ。
 
 ところで、なんでこのシステムが「ゲイナー」かというと、「OVERMAN キングゲイナー」からとってるのだそうですよ! 一オタクとしては、なんかこういうのって嬉しいですね。にこにこしてしまうよ!